目次

「精神も物質です」

Page Type Example
Example ID a1799
Author 坂口安吾
Piece 「金銭無情」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 317

Text

精神も物質です。これより我々は、私はでて行きます、という物質がちょうどまア石炭みたいに、胸の中のどういう地層で外のどんな物質と一緒に雑居しているか取調べましょう

Context Focus Standard Context
物質 (精神)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 物質 = 精神 心=物質

Grammar

Construction AもBです
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B も-含蓄的に提示(主語)
2 B です です-断定(丁寧)-終止形

Pragmatics

Category Effect
定義 (definition) 精神を物質として捉えるという唯物論的な認識を提示することで、捉えどころのない心理という抽象物が実は捕捉可能なものであることを表す。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 精神という捉えどころのない抽象的な対象を、物質という物理的な対象として実体化する。
縁語・縁装法 (-) 精神を物質と定義することによって、地層を調べるという具体的な作業を心理の探求に擬える後続文を導出する。