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「気のきいた店名なぞ胸にたくわえていたのを投げだして」

Page Type Example
Example ID a1779
Author 坂口安吾
Piece 「金銭無情」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 299

Text

そこであちら名の気のきいた店名なぞ三ツ四ツあれこれ胸にたくわえていたのを投げだして、タヌキ屋、これでたくさんだ、お前、お金をもうけろ、もうけたお金は余が飲む、というようなわけで、彼はつまり、僕は飲み屋の亭主です、最も一般的な型をとることにしたのである。

Context Focus Standard Context
気のきいた店名なぞ 投げだして (やめて)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 投げる = やめる 差し止める=投げる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 今まで考えていたものを、「投げ出す」と表すことで、何もせず急にやめるというようなニュアンスを出すことができる。また、それまでは記憶に留めていた店名が、当該話者からは距離のある場所に離れていったかのような印象を与える。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 店名の記憶を、手で胸に抱えて保持することのできる物理的な実在性を付与する。
心理描写 (psychological-description) 当該人物がどのような態度をとることにしたのかを描いている。