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「その抱きしめている人間に、無限の誇りをもつ」

Page Type Example
Example ID a1759
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 285

Text

ああ、長い長い幾たびかの恐怖の時間、夜昼の爆撃の下に於て、女が表した始めての意志であり、ただ一度の答えであった。そのいじらしさに伊沢は逆上しそうであった。今こそ人間を抱きしめており、その抱きしめている人間に、無限の誇りをもつのであった。

Context Focus Standard Context
その抱きしめている 人間

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 人間 > 彼女 metonymy--1.2000-1--1.2010-3

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 白痴の女がはじめて自分の意志を表示したことで、動物的な存在から人間性をもった存在へと変化したことを印象づける。
心理描写 (psychological-description) この場面で伊沢が「女」をどのような存在であると認めていたのかを描いている。