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「家鴨(あひる)によく似た屋根裏の娘がうろうろしていた」

Page Type Example
Example ID a1749
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 278

Text

ようやく石鹸を見つけだして井戸端へ出ると仕立屋夫婦が畑の隅の防空壕へ荷物を投げこんでおり、家鴨(あひる)によく似た屋根裏の娘が荷物をブラさげてうろうろしていた。

Context Focus Standard Context
家鴨 (屋根裏の娘)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 あひる = 青年=雁

Grammar

Construction Aによく似たB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A に[よく似た] B に-比較の基準
2 A [に]よく[似た] B よい(よい)
3 A [によく]似[た] B 同じゅうする(おなじゅうする)
4 A [によく似]た B た-存続-連体形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) アヒルになぞらえることで、白痴の娘が腹と尻を前後に突き出しながら走る姿を具体的に想起させる。
人物描写 (description of a character) 腹と尻を前後に突き出しながら走る姿がアヒルの走り方に類似するという共通性をもとにして、白痴の娘をアヒルになぞらえて描いている。
評価 (evaluation) アヒルという人間ではない存在に比することで、知能の劣った様子であることなどをも伝える。