目次

「生活自体が道ばたの馬糞のように踏みしだかれて」

Page Type Example
Example ID a1688
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 265-266

Text

胸の灯も芸術も希望の光もみんな消えて、生活自体が道ばたの馬糞のようにグチャグチャに踏みしだかれて、乾きあがって風に吹かれて飛びちり跡形もなくなって行く。

Context Focus Standard Context
道ばたの馬糞 (生活)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 馬糞 = 生活 生活=人糞

Grammar

Construction AがBのようにC-D
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D が-主語
2 B の[ように] D の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように D 様-類似-連用形
4 C - D 統語関係

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 道端の馬糞は何らの価値も有さず、踏まれるに任せて消えていくものであることを想起させ、それと同じように自分の生活と芸術が戦争の前には無力・無価値なものとして消えていくことを表現する。
対照法・対照 (antithesis) 先行する「胸の灯」や「希望の光」とのコントラストを作る。
評価 (evaluation) 先行する「胸の灯」や「希望の光」との対比により、現在の生活が否定的に評価されている。