目次

「ごめんなさいね、がどの道に連絡しているのだか」

Page Type Example
Example ID a1654
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 258-259

Text

跣足(はだし)で外を歩きまわって這入ってきたから部屋を泥でよごした、ごめんなさいね、という意味も言ったけれども、あれこれ無数の袋小路をうろつき廻る呟きの中から意味をまとめて判断するので、ごめんなさいね、がどの道に連絡しているのだか決定的な判断はできないのだった。

Context Focus Standard Context
ごめんなさいね、がどの (話題) に連絡しているのだか

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 話題 主題=道

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 「ごめんなさいね」という謝罪のことばが具体的にどの行為に向けられたものであるのかが分からない様子が、それぞれがどこに通じているのかが分からないほど複雑に絡み合っている道のイメージを借りて、視覚的に表現されている。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 「ごめんなさいね」という謝罪のことばとそれが向けられた行為との関係が、二つの場所をつなぐ道のような物理的実体であるかのような具体性を感じさせる。