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「弾丸も飢餓もむしろ太平楽のようにすら思われる」

Page Type Example
Example ID a1647
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 256

Text

ひと思いに兵隊にとられ、考える苦しさから救われるなら、弾丸も飢餓もむしろ太平楽のようにすら思われる時があるほどだった。

Context Focus Standard Context
太平楽 (弾丸や飢餓)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 弾丸 > 戦争 弾>戦争
2 太平楽 = 戦争 戦争=安心
3 平和 ←→ 戦争 平和<-->戦争

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A 思われる も-同類(主語)
2 むしろ B かえって(かえって)
3 B の[ようにすら思われる] の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
4 B [の]ように[すら思われる] 様-類似-連用形
5 B [のように]すら[思われる] すら-強調的に例示(主格以外の提題)
6 B [のようにすら]思わ[れる] 思う(おもう)
7 B [のようにすら思わ]れる れる-自然-連体形

Pragmatics

Category Effect
奇想 (conceit) 「考える苦しさから救われる」という点において、「弾丸」「飢餓」という通常苦しみの原因となるようなものが「太平楽」になるという、この状況において普通の人間とは逆になっている登場人物の価値観を表している。
評価 (evaluation) 芸術家にとって思う通りの仕事ができないことが極めて苦しいものであるという認識からすると、出兵して何も考えずに戦闘に従事する方が楽であるという評価を提示する。