目次

「婆さんの鳥類的な叫びが起り」

Page Type Example
Example ID a1640
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 253

Text

いわばここは彼女の待避所で、そういう時には大概隣家でオサヨさんオサヨさんとよぶ婆さんの鳥類的な叫びが起り、そのたびに白痴の身体はすくんだり傾いたり反響を起し、仕方なく動き出すには虫の抵抗の動きのような長い反復があるのであった。

Context Focus Standard Context
鳥類 (婆さん) 叫び

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 鳥類 = ばあさん 老=鳥

Grammar

Construction A的なB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A 的[な] B =-的(てき)
2 A [的]な B だ-断定・指定-連体形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 老婆の甲高い叫び声について、甲高い鳴き声を上げる鳥類を引き合いに出すことで、当該の叫びが単なる甲高さではないことを含めて、叫び声の質を具体化する。
評価 (evaluation) 人間ではない存在に比することで発話者から対象への侮蔑的な評価を表示する。