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「万巻の読書に疲れたような憂わしげな顔」

Page Type Example
Example ID a1637
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 250-251

Text

気違いは度の強い近眼鏡をかけ、常に万巻の読書に疲れたような憂わしげな顔をしていた。

Context Focus Standard Context
万巻の読書に疲れた (顔)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern

Grammar

Construction AようなB-C
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Elaboration
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A ような B 様-類似-連体形
2 B - C 統語関係

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 度の強いメガネをかけていることから、読書の過多による視力低下と疲労を連想することで、当該の表情を読書に疲労した人の表情との近似が感じられる。
対照法・対照 (antithesis) その表情の主体が気違いという知性を欠如した存在であることと読書という知性を前提とする行為とのミスマッチがコントラストを生む。
人物描写 (description of a character) 当該人物の「憂わしげ」な表情がどのようなものであるのかを具体的に描いている。