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「土人形のごとくにバタバタ死ぬのが厭でたまらなかった」

Page Type Example
Example ID a1589
Author 坂口安吾
Piece 「続堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 236

Text

我等国民は戦争をやめたくて仕方がなかったのではないか。竹槍をしごいて戦車に立ちむかい、土人形のごとくにバタバタ死ぬのが厭でたまらなかったのではないか。戦争の終ることを最も切に欲していた。そのくせ、それが言えないのだ。

Context Focus Standard Context
土人形 (国民)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 人形 = 国民 国民=人形

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ごとくに] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ごとく[に] C ごとし-類似-連用形
4 B [のごとく]に C に-比較の基準
5 C D が-主語

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 土人形という壊れやすくかつ意志を持たない事物になぞらえることで、自分の意志で行動できず、戦車によって簡単に殺されるという印象を与える。
誇張法 (hyperbole) 土人形という壊れやすくかつ意志を持たない事物になぞらえることで、意志のなさや、戦車による殺戮の簡単さに際立ちが与えられる。