目次

「日本歴史のあみだした独創的な作品」

Page Type Example
Example ID a1588
Author 坂口安吾
Piece 「続堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 235-236

Text

昨年八月十五日、天皇の名によって終戦となり、天皇によって救われたと人々は言うけれども、日本歴史の証するところを見れば、常に天皇とはかかる非常の処理に対して日本歴史のあみだした独創的な作品であり、方策であり、奥の手であり、軍部はこの奥の手を本能的に知っており、我々国民又この奥の手を本能的に待ちかまえており、かくて軍部日本人合作の大詰の一幕が八月十五日となった。

Context Focus Standard Context
日本歴史のあみだした 作品 (産物)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 作品 = 産物 物産=作

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 天皇という存在が、意志をもった一人の人間ではなく、あたかも日本の歴史の手によって意図的に創造されたものであるかのように表現されている。
人物描写 (description of a character) 作者によって生み出された作品と呼ぶことで、天皇がどのような存在であるかを描いている。
擬人法 (personification) 日本の歴史が工夫を凝らしたり意図をもって作品を創造する主体であるかのような印象を与える。