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「大邸宅が嘘のように消え失せて」

Page Type Example
Example ID a1556
Author 坂口安吾
Piece 「堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 223

Text

麹町(こうじまち)のあらゆる大邸宅がのように消え失せて余燼(よじん)をたてており、上品な父と娘がたった一つの赤皮のトランクをはさんで濠端(ほりばた)の緑草の上に坐っている。片側に余燼(よじん)をあげる茫々(ぼうぼう)たる廃墟がなければ、平和なピクニックと全く変るところがない。

Context Focus Standard Context
(現実)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 うそ = 現実 真=うそ

Grammar

Construction AがBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C が-主語
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
誇張法 (hyperbole) 麹町の大邸宅が突然に焼失したことが、もともとそれが存在しなかったかのように感じられたことが表現されている。