目次

「その奇怪な鮮度に対する代償として」

Page Type Example
Example ID a1552
Author 坂口安吾
Piece 「堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 222

Text

しかし廃墟に生き残り、何か抱負を持っていたかと云えば、私はただ生き残ること以外の何の目算もなかったのだ。予想し得ぬ新世界への不思議な再生。その好奇心は私の一生の最も新鮮なものであり、その奇怪な鮮度に対する代償としても東京にとどまることを賭ける必要があるという奇妙な呪文に憑かれていたというだけであった。

Context Focus Standard Context
その奇怪な 鮮度 (目新しさ) に対する代償

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 鮮度 = 珍しい 珍しい=新鮮

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
活喩 (prosopopeia) 直前の「新鮮」に加え「鮮度」という語を通じて精神(好奇心)を有生物として捉えている。
対照法・対照 (antithesis) 戦火の中身近な存在となった死と精神(好奇心)の生き生きした様子が対照的に描かれている。