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「政治家達の嗅覚によるもの」

Page Type Example
Example ID a1543
Author 坂口安吾
Piece 「堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 217

Text

社会的に忘れた時にすら政治的に担ぎだされてくるのであって、その存立の政治的理由はいわば政治家達の嗅覚によるもので、彼等は日本人の性癖を洞察し、その性癖の中に天皇制を発見していた。

Context Focus Standard Context
政治家達の 嗅覚 (洞察)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 嗅覚 = 洞察 洞察=五感

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Elaboration
C Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A は[いわば] C は-既出のものに関する判断の主題
2 A [は]いわば C 言わば(いわば)
3 B C の-所有主
4 C に[よるもので] に-動作・作用の手段としてのよりどころ
5 C [に]よる[もので] よる(よる)
6 C [による]もの[で] 対象(たいしょう)
7 C [によるもの]で だ-断定・指定-連用形

Pragmatics

Category Effect
アナロジー・類推 (analogy) 視覚による認識は輪郭を持つはっきりとした存在であるが、匂いには輪郭はなく茫漠とした対象である。政治家たちが発見するものは、日本人の性癖などの実体性を欠いたものであり、そのようなものは「匂い」として認識され、その発見は嗅覚に依るものとして理解される。
含意法 (implication) 天皇制の利用が、政治的意図によるというよりは、本能的に察知されたものであることが暗示される。