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「一管のペンに一生を托して」

Page Type Example
Example ID a1515
Author 坂口安吾
Piece 「日本文化私観」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 182

Text

自分の欲しい金額と姓名生年月日などを小石に書いて、ここへ納め、願をかけるのだそうである。(…)節分の夜、燃え残った神火の明りで、この石を手に執りあげて一つ一つ読んでいたが、旅先の、それも天下に定まる家もなく、一管のペンに一生を托してともすれば崩れがちな自信と戦っている身には、気持のいい石ではなかった。

Context Focus Standard Context
一管のペン (執筆活動) に一生を托して

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ペン > 執筆 ペン>執筆

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
category 執筆活動を「ペン」と表現し、「一管「と「一生」との間で音を揃えている。
対照法・対照 (antithesis) 人生とペンとの間にコントラストを生み、執筆活動というごく簡素な行為に大変に注力している姿と心境を想起させる。
イメジャリー・イメージ (imagery) 執筆活動にかける意気込みを、あたかもその道具であるペンにむけているかのような印象を与える。