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「八さん熊さんと同列に落語の中の人物になる」

Page Type Example
Example ID a1504
Author 坂口安吾
Piece 「勉強記」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 162

Text

坊主が般若湯をのむというのは落語や小咄に馴染のことだが、あれは大概山寺のお経もろくに知らないような生臭坊主で、何代目かの管長候補に目されている高僧は流石に違う。却々もって、八さん熊さんと同列に落語の中の人物になるような頓間な飲み方はしないのである。

Context Focus Standard Context
八さん熊さん (高僧)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 八さん熊さん = 高僧 僧俗=紀伊国屋文左衛門

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B と[同列に] C と-比較の基準
3 B [と]同列[に] C 並び(ならび)
4 B [と同列]に C に-比較の基準
5 C ような D 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
暗示引用 (allusion) そそっかしい人物の典型例として、落語の登場人物が引用されている。
含意法 (implication) 落語のなかで滑稽な振る舞いをする人物を喩えに出すことで、「生臭坊主」が落語の話のようなそそっかしい飲み方をするであろうことを暗示している。