目次

「女の人に道を尋ねて女の人が返事をしてくれれば、女の人をわが物にしたことになるというのと同じようなもの」

Page Type Example
Example ID a1472
Author 坂口安吾
Piece 「勉強記」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 145-146

Text

どうも先生の話はうますぎる。おだてには至って乗り易い按吉だったが、言葉を征服すれば国土と国民を征服したことになるという、女の人に道を尋ねて女の人が返事をしてくれれば、女の人をわが物にしたことになるというのと同じようなものじゃないか。

Context Focus Standard Context
女の人に道を尋ねて女の人が返事をしてくれれば、女の人をわが物にしたことになる (言葉を征服すれば国土と国民を征服したことになる)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 国=女
2 交際する = 征服する 攻め落とす=交わる

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A と[いう] と-引用語句
2 A [と]いう 言う(いう)
3 B と[いうのと同じようなもの] と-引用語句
4 B [と]いう[のと同じようなもの] 言う(いう)
5 B [という]の[と同じようなもの] の-体言と同じ資格
6 B [というの]と[同じようなもの] と-比較の基準
7 B [というのと]同じ[ようなもの] 同じ(おなじ)
8 B [というのと同じ]ような[もの] 様-類似-連体形
9 B [というのと同じような]もの 対象(たいしょう)

Pragmatics

Category Effect
アナロジー・類推 (analogy) 言葉の征服が国の征服であるという論理の短絡を、より卑近な例によって類比的に説明する。
明晰 (clarity) 国や言葉の問題は抽象的かつ縁遠いものであるため、女性という身近な例を用いることで分かりやすくする。