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「耳と耳の間が風を通す洞穴になっていて」

Page Type Example
Example ID a1459
Author 坂口安吾
Piece 「勉強記」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 135

Text

無意味な先生は誰かと云えば、先生よりも物識りの生徒の先生と、涅槃大学校の印度哲学科の先生であった。ここの生徒は耳と耳の間が風を通す洞穴になっていて、風と一緒に先生の言葉も通過させてしまう。

Context Focus Standard Context
耳と耳の間が 風を通す洞穴 ()

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 洞穴 = 耳=洞

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
含意法 (implication) 実際には耳と耳の間には思考を司る脳がある筈だが、「ここの生徒」の場合はそこに脳が存在しないことを含意する。
ユーモア (humour) 二つの耳が単なる穴として直接つながっていると感じられるほど、先生のことばが思考を喚起していないということが滑稽に指摘されている