目次

「頭からは汗が湧出し流れる」

Page Type Example
Example ID a1457
Author 坂口安吾
Piece 「勉強記」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 134-135

Text

普通汗をかくというが、クリクリ坊主の頭からは汗が湧出し流れるのである。目へ流れこみ、鼻孔をふさぎ、口へ落ち、耳にたまり、遠慮会釈もなく背中へ胸へ流入する。これはもう頭自体が水甕(みずがめ)にほかならないと信じるようになるのであった。

Context Focus Standard Context
汗が 湧出し (流れる)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 わき出す = 汗をかく 分泌する=わく

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 水の湧出からイメージされる水量の多さを利用して、汗が止めどなく流れる様子を描写する。
メタ言語 (metalanguage) 「汗をかく」という慣用表現の使用をメタ的に否定し、「汗を湧出する」という新奇表現を用いている。
過大誇張 (auxesis) 湧き水のように、汗が止まることなく一定量出続けていることを強調している。