目次

「ようやくコンゴーのジャングルから現れてきたばかりだという面影」

Page Type Example
Example ID a1446
Author 坂口安吾
Piece 「勉強記」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 131

Text

生憎なことに、この男には育ちの浅いところがあり、というのは、つまり諸々の人間はすでに数万年以前にゴリラとかチンパンジーというものから人間になってしまったというのに、この先生の祖先だけはようやく二三百年ぐらい前にコンゴーのジャングルからやおら現れてきたばかりだという面影があった。

Context Focus Standard Context
ようやく二三百年ぐらい前にコンゴーのジャングルからやおら現れてきたばかりだ (ゴリラのような) 面影

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ジャングル > ゴリラ 草むら>霊長類

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B と[いう] C と-引用語句
3 B [と]いう C 言う(いう)
4 C が[あった] が-主語
5 C [が]あっ[た] ある(ある)
6 C [があっ]た た-過去-終止形

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 当該人物の顔の彫りの深さを表現する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 彫りの深い顔を持つ代表的な存在である類人猿を引き合いに出すことで顔つきを表現する。
ユーモア (humour) 当該人物の顔の彫りの深さが人々から考え事をしているがために生じるものだと思われているのとは逆に、実際は類人猿に比せられるように思慮とは離れたものであることを提示することでユーモアを形成する。