目次

「死ぬかと思われるほどの不思議な驚きに打たれました」

Page Type Example
Example ID a1422
Author 夢野久作
Piece 「押絵の奇蹟」
Reference 『夢野久作』
Pages in Reference 49

Text

そのお顔をハッキリと眼には残しながら、死ぬかと思われるほどの不思議な驚きに打たれました私は、思わず気を失ってしまいまして、

Context Focus Standard Context
死ぬ (不思議な驚きに打たれました)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 死ぬ > 驚く 死ぬ>驚く

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Elaboration
C Elaboration
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A か[と思われるほどの] C か-推定
2 A [か]と[思われるほどの] C と-引用語句
3 A [かと]思わ[れるほどの] C 思う(おもう)
4 A [かと思わ]れる[ほどの] C られる-自然-連体形
5 A [かと思われる]ほど[の] C ほど-動作や状態の程度
6 A [かと思われるほど]の C の-性質・性格・状態
7 B - C 統語関係
8 C D に-動作・作用の対象

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 当該の驚きの程度性の高さを、驚いた結果として死ぬという仮想的な結果状態を引き合いに出すことで、単なる驚きではなく生命活動を停止させるほどの心理的な衝撃をあたえたものであることを表示する。
|
過大誇張 (auxesis)

生命活動の停止という極端な事態を提示することで、それが発生しかねないほど、当該驚きの心理的衝撃が強いものであることを表現する。 そのとき感じた不思議さと驚きが、死を直感させるほどの極度の強烈さを伴っていたことが表現されている。 |