目次

「不動様の金縛りを喰った山狼(やまいぬ)みてえな恰好で」

Page Type Example
Example ID a1408
Author 夢野久作
Piece 「人間腸詰」
Reference 『夢野久作』
Pages in Reference 375-376

Text

あっし等が人寄せをやっている台湾館の中には六人の台湾娘が居て、お茶の給仕をしておりました。(…)何の事あねえ不動様の金縛りを喰った山狼(やまいぬ)みてえな恰好で、みんな指を啣くわえて、唾液(つばき)を呑み呑みソンナ女たちを眺めているばかりでした。

Context Focus Standard Context
不動様の金縛りを喰った山狼 (あっし等)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 山犬 = 私たち 我=犬

Grammar

Construction AみたいなB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A みてえな B みたい-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 給仕の女性を見ている人々の様子について、女性への情欲がありながらも行動することができずその場から動いていないことを描く。
イメジャリー・イメージ (imagery) 山犬という理性を持たない存在が金縛りにあって動きたくても動けないというイメージを喚起する。
カテゴリー転換 (-) 給仕の女性を見ている人々を、山犬という理性を持たない存在として捉える。