目次

「路上の馬糞のように喘いでいる」

Page Type Example
Example ID a1397
Author 坂口安吾
Piece 「風博士」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 119

Text

石津はオモチャにされ、踏みつけられ、虐げられても、いつもたわいもなく楽天的なような気がするのだが、むろん現実ではそんな筈はない。虱たかりと云われて、やっぱり一瞬はキリリとまなじりを決するので、踏みしだかれて、路上の馬糞のように喘いでいる姿も思う。

Context Focus Standard Context
路上の馬糞 (石津)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 馬糞 = 女生徒 女学生=人糞

Grammar

Construction AのようにB-C
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Elaboration
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ように] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ように B 様-類似-連用形
3 B - C 統語関係

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 馬糞は自らの意志を持たず、踏まれるに任せるものであることを想起させ、当該人物が虐げに対する意志的な抵抗が出来ずにいる姿を表現する。
混合比喩 (mixed metaphor) 排泄物に喩える比喩と、人間が喘ぐ様子に喩える比喩が混在している。
露骨語法・毒舌法 (dysphemism) 排泄物が喘ぐという動作主体になるように表現することで、ユーモアを含んだ侮蔑的な態度を暗示する。