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「まったく野獣のような力がこもっていて」

Page Type Example
Example ID a1393
Author 坂口安吾
Piece 「風博士」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 115-116

Text

喋ることに喜びを感じることがないように人と語り合うことがすくなく、それでも沈黙がちに遊戯の中へ加わって極めて野性的にとび廻っている。笑うことなどはなく、面白くもなさそうだが、然し跳ね廻っている姿は他の子供に比べると格段にその描きだす線が大きく荒々しく、まったく野獣のような力がこもっていて、野性がみちていた。

Context Focus Standard Context
野獣 (子ども)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 野獣 = 子供 子=獣

Grammar

Construction AはBのようなCがD
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ような] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ような C 様-類似-連体形
4 C D が-主語

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 子供の持つ野性的な力強さを表現する。
過大誇張 (auxesis) 子供の力強さを、野獣を引き合いに出して強調している。
カテゴリー転換 (-) 野性的な力強さを表現するために、野獣という野性に生きる存在を引き合いに出す。