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「その姿が風であって見えない」

Page Type Example
Example ID a1365
Author 坂口安吾
Piece 「石の思い」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 94

Text

それは全くある人間の全身の体力が全力をこめて突き倒し蹴倒して行ったものであり、ただその姿がであって見えないだけの話であった。そこへ病院から電話で、今白痴が息をひきとったという報せがあったのである。

Context Focus Standard Context
姿が ()

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 姿 見目=風

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬人法 (personification) 突然風が吹き荒れ家中の戸を倒した出来事に対し、誰かが突然入ってきて、その身体を用いて扉を倒したりしている様子を見て取る語り手の捉え方が反映されている。その誰かとはすなわち、精神病院に入れられていた息子そのひとであると考えられている。