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「私も亦家の一匹の虫であった」

Page Type Example
Example ID a1355
Author 坂口安吾
Piece 「石の思い」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 92

Text

だから怖れる家の中に、あの陰鬱な一かたまりの漂う気配の中に、私は又、私のやみがたい宿命の情熱を托しひそめてもいたのであった。私も亦、常に家を逃れながら、家の一匹の虫であった。

Context Focus Standard Context
家の 一匹の虫 ()

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 人間 人間=昆虫

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
当てこすり (innuendo) 本来は人間であるはずの自己を、虫として貶めて捉えている。
評価 (evaluation) 自己を、一匹の虫ほどの極めて卑小な存在として捉えている。