目次

「枝を鳴らさぬ君が御代を大に俗了してしまう」

Page Type Example
Example ID a1330
Author 夏目漱石
Piece 「吾輩は猫である」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 257

Text

すると突然黒のうちの神さんが大きな声を張り揚げて『おや棚へ上げて置いた鮭がない。大変だ。またあの黒の畜生が取ったんだよ。ほんとに憎らしい猫だっちゃありゃあしない。今に帰って来たら、どうするか見ていやがれ』と怒鳴る。初春の長閑な空気を無遠慮に震動させて、枝を鳴らさぬ君が御代を大に俗了してしまう。

Context Focus Standard Context
枝を鳴らさぬ君が御代 (温厚なあなた) を大に俗了してしまう

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 歌詞 > 謡曲 詩歌>謡

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
暗示引用 (allusion) 謡曲「高砂」の歌詞に「枝を鳴らさぬ御代なれや」とある。
風景描写 (scene-description) 優雅な雰囲気が怒鳴り声で台無しになってしまう様を表現している。