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「猫中の大王とも云うべきほどの偉大なる体格」

Page Type Example
Example ID a1312
Author 夏目漱石
Piece 「吾輩は猫である」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 214

Text

彼は純粋の黒猫である。わずかに午(ご)を過ぎたる太陽は、透明なる光線を彼の皮膚の上に抛(な)げかけて、きらきらする柔毛(にこげ)の間より眼に見えぬ炎でも燃え出ずるように思われた。彼は猫中の大王とも云うべきほどの偉大なる体格を有している。吾輩の倍はたしかにある。

Context Focus Standard Context
大王 (猫)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 大王 = マングース=大王

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Target
C Source
D Elaboration
E Elaboration
F Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A F は-既出のものに関する判断の主題
2 B 中[の] C 表(おもて)
3 B [中]の C の-所属の団体
4 C とも[言うべきほどの] E 同(どう)
5 C [とも]言う[べきほどの] E 言う(いう)
6 C [とも言う]べき[ほどの] E べし-当然-連体形
7 C [とも言うべき]ほど[の] E =-ほど(ほど)
8 C [とも言うべきほど]の E の-性質・性格・状態
9 D - E 統語関係
10 E F を-目的・目標(他動詞)

Pragmatics

Category Effect
あだ名 (nickname) 「彼」を「猫中の大王」と名付けている。
過大誇張 (auxesis) 猫が大王であるとして大げさに表現している。
ユーモア (humour) 猫が大王であるという大げさな表現が滑稽さを生み出す。
アナロジー・類推 (analogy) 体格という物理的な大きさを、大王の権力という社会的な力の大きさの類比によって表現する。