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「萎びた古手拭のような匂い」

Page Type Example
Example ID a1289
Author 梶井基次郎
Piece 「ある崖上の感情」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 96

Text

そのうちに彼は晴ればれとした往来へ出ても、自分に萎びた古手拭のような匂いが沁みているような気がしてならなくなった。

Context Focus Standard Context
萎びた古手拭 () のような匂い

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 手ぬぐい = 自分 自分=ハンカチ

Grammar

Construction AのようなBがC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ような] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ような B 様-類似-連体形
3 B C が-主語

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 寡婦との情事に染まった自身に対する嫌悪感を表現する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 古い手拭の見た目や匂いを喚起することで、自分自身の心が汚れているという認識を表現する。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 憂鬱な感情を抱く発話者が自分自身の体を古手拭によそえる。