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「河鹿(かじか)が恐る恐る顔を出す」

Page Type Example
Example ID a1253
Author 梶井基次郎
Piece 「交尾」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 64

Text

やっとしばらくすると水の中やら石の蔭から河鹿(かじか)がそろそろと首を擡(もた)げはじめる。気をつけて見ていると実にいろんなところから——それが皆申し合わせたように同じぐらいずつ——恐る恐る顔を出すのである。すでに私は石である。彼らは等しく恐怖をやり過ごした体で元のところへあがって来る。

Context Focus Standard Context
恐る恐る () 顔を出す

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 人間 = かえる 両生類=人間

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬人法 (personification) 一斉に顔を出す河鹿の様子に、周囲の状況を恐れ警戒するという人間的な感情を感じさせる。
描写 (description) 河鹿に対する「私」の主観的認識が表現されている。