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「妄想という怪獣の餌食となりたくない」

Page Type Example
Example ID a1237
Author 梶井基次郎
Piece 「交尾」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 58

Text

夜中になって来ると病気の私の身体は火照り出し、そして眼が冴える。ただ妄想という怪獣の餌食となりたくないためばかりに、私はここへ逃げ出して来て、少々身体には毒な夜露に打たれるのである。

Context Focus Standard Context
怪獣 (妄想)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 怪獣 = 妄想 想像=獣

Grammar

Construction AというB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A と[いう] B と-内容指定
2 A [と]いう B 言う(いう)

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 怪獣に食われるイメージを用いて、妄想が観念的なことではなくリアリティをもったものであることを表現する。
心理描写 (psychological-description) 妄想の自身を責め苛むことの苦しさ、恐怖を表現する。
迫真法・活写法・現前化 (hypotyposis) 怪獣という具象的な存在として妄想を表象することで、妄想のありかたを具象化する。