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「木が幻燈のように光を浴びている」

Page Type Example
Example ID a1229
Author 梶井基次郎
Piece 「闇の絵巻」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 54

Text

行手は如何ともすることのできない闇である。この闇へ達するまでの距離は百米あまりもあろうか。その途中にたった一軒だけ人家があって、楓のような木が幻燈のように光を浴びている。大きな闇の風景のなかでただそこだけがこんもり明るい。

Context Focus Standard Context
幻燈 (人家の明かり) 光を浴びている

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 幻灯 = 人家 屋=幻灯

Grammar

Construction AがBのようにCをD
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D が-主語
2 B の[ように] D の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように D 様-類似-連用形
4 C D を-目的・目標(他動詞)

Pragmatics

Category Effect
自然描写 (description of nature) 暗闇の中でカエデの樹が人家の光に照らされているという情景の非現実的・幻想的な美しさを表現する。
アナロジー・類推 (analogy) 暗闇の中でカエデの樹が人家の光に照らされていることを、闇を黒幕としてそこに映し出された映像(=幻燈)として捉える。