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「溪は尻っ尾のように細くなって」

Page Type Example
Example ID a1223
Author 梶井基次郎
Piece 「闇の絵巻」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 52

Text

下流の方を眺めると、溪が瀬をなして轟々と激していた。瀬の色は闇のなかでも白い。それはまた尻っ尾のように細くなって下流の闇のなかへ消えてゆくのである。

Context Focus Standard Context
尻っ尾 (瀬) 細くなって

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 渓流 小川=尾

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Target
E Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A E は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形
4 C なっ[て] E 変質する(へんしつする)
5 C [なっ]て E て-並列・列叙
6 D E へ-帰着点

Pragmatics

Category Effect
自然描写 (description of nature) 闇夜に下流の激しい流れを見て、その激しさから闇の中でも白い水流が見えるが、先の方では細くなるため次第に見えなくなるという情景を描写する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 直線性の共通点から尻尾を引き合いに出し、尻尾が先細りの形であり終端があるという形状を想起させる。
明晰 (clarity) 瀬の形状を分かりやすく描写する。