目次

「山々の尾根が古い地球の骨のように見えて来た」

Page Type Example
Example ID a1220
Author 梶井基次郎
Piece 「闇の絵巻」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 50

Text

深い溪谷が闇のなかへ沈むのを見た。夜が更けて来るにしたがって黒い山々の尾根が古い地球の骨のように見えて来た。

Context Focus Standard Context
古い地球の骨 (山々の尾根)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 尾根 尾根=骨

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B が-主語
2 B の[ように見えて来た] の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように[見えて来た] 様-類似-連用形
4 B [のように]見え[て来た] 判ずる・判じる(はんずる・はんじる)
5 B [のように見え]て[来た] て-補助用言に連なる用法
6 B [のように見えて]来[た] 来る(くる)
7 B [のように見えて来]た た-過去-終止形

Pragmatics

Category Effect
自然描写 (description of nature) 連なった山々の尾根が突き出ている様子について、骨の連なった骨格の形状との類似を看取し、情景に対して主体が抱く印象を提示する。
奇想 (conceit) 連なった山々の尾根が突き出ている様子について、骨の連なった骨格の形状との類似を看取し、情景に対して主体が抱く印象を提示する。それによって、特異な類似点を発見する主体の異質な感覚を暗示する。