目次

「新聞紙が一しきり風に堪えていた」

Page Type Example
Example ID a1196
Author 梶井基次郎
Piece 「ある心の風景」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 291-291

Text

川上からは時どき風が吹いて来た。カサコソと彼の坐っている前を、皺になった新聞紙が押されて行った。小石に阻まれ、一しきり風に堪えていたが、ガックリ一つ転ると、また運ばれて行った。

Context Focus Standard Context
風に 堪えていた (押されなかった)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 堪える = 止まる 止まる=我慢する

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬人法 (personification) 川上からの風に流されないように、あたかも新聞紙自身が意思をもって小石にしがみつき耐えているかのような擬人的印象を与える。
共感・感情移入 (sympathy/empathy) 皺になった新聞紙を生き物のように捉えることで、その存在の哀れな様子に主人公自身の共感を示す。