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「私はその薄気味悪さを呪文のように覚えている」

Page Type Example
Example ID a1129
Author 坂口安吾
Piece 「石の思い」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 79

Text

この鷲鼻の目の青い老人は十歳ぐらいの私をギラギラした目でなめるように擦り寄ってきて、お前はな、とんでもなく偉くなるかも知れないがな、とんでもなく悪党になるかも知れんぞ、とんでもない悪党に、な、と言った。私はその薄気味悪さを呪文のように覚えている。

Context Focus Standard Context
呪文 (老人の言葉)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 呪文 = 言葉 言葉=文言

Grammar

Construction AはBをCのようにD
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Target
C Source
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B D を-目的・目標(他動詞)
3 C の[ように] D の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
4 C [の]ように D 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 単なる言葉ではなく、現実への効力を持つような不可思議な印象を発話者に与えたことを表す。
過大誇張 (auxesis) 言葉の現実への効力を、呪文という魔力・威力を持つ言葉によって強調して表す。