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「海坊主のような男であった」

Page Type Example
Example ID a1120
Author 坂口安吾
Piece 「石の思い」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 75

Text

私はもう会話も覚えておらぬ。全てを忘れているが、私はこの大きな男、まったく、入道のような大坊主で、顔の長くて円くて大きいこと、海坊主のような男であったが、ひどく大袈裟な物々しい男のくせに、私と何の距てもない心の幼さが分るようであった。

Context Focus Standard Context
海坊主 (男)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 海坊主 = 男=怪物

Grammar

Construction AことBのようなC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A こと B 事(こと)
2 B の[ような] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ような C 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 当該の男の顔の特徴について、丸さやつるっとした感じを「海坊主」によって表現することで、主人公が受けた不気味な印象を表している。
対照法・対照 (antithesis) 不気味な海坊主と男性の心の幼さとの間の対照性を持たせる。
列挙法・列挙・列叙 (enumeration) 男の様子を複数の面から描写することで、印象深い姿を具体的に描出している。
イメジャリー・イメージ (imagery) 当該の男の顔の特徴について、丸さやつるっとした感じを描写している。