Page Type | Example |
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Example ID | a1102 |
Author | 坂口安吾 |
Piece | 「FARCEに就て」 |
Reference | 『坂口安吾』 |
Pages in Reference | 60 |
「ファルスの作者というものは、決して誰にも(無論自分自身にも——)同情なんかしようとはしないものだ。頑(がん)として、木像のごとく木杭(きぐい)のごとく、電信柱のごとく断じて心臓を展(ひら)くことを拒むものである。そして、このおよそ有(あら)ゆる物への冷酷な無関心によって、結局およそ有(あら)ゆる物を肯定する、という哀れな手段を、ファルス作家は金科玉条として心得ているだけである。」
Context | Focus | Standard | Context |
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木像 | (ファルスの作者) |
Construction | AとしてBのごとくCをDものである |
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Mapping Type | 概念メタファー |
Lexical Slots | Conceptual Domain |
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A | Elaboration |
B | Source |
C | Target |
D | Target |
Preceding | Morpheme | Following | Usage | |
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1 | A | と[して] | B | と-副詞語尾 |
2 | A | [と]し[て] | B | する(する) |
3 | A | [とし]て | B | て-並列・列叙 |
4 | B | の[ごとく] | D | の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合 |
5 | B | [の]ごとく | D | ごとし-類似-連用形 |
6 | C | を | D | を-目的・目標(他動詞) |
7 | D | もの[である] | 対象(たいしょう) | |
8 | D | [もの]で[ある] | て-補助用言に連なる用法 | |
9 | D | [もので]ある | ある(ある) |
Category | Effect |
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明晰 (clarity) | ファルスの作者は同情や感動といった心の動きとは無縁であるべきという主張を、木像という心をもたない事物に作者を比することで分かりやすく表現する。 |
アナロジー・類推 (analogy) | 作者が心の動きとは無縁であることを、木像が心の動きと無縁であることを通じて類比的に表現している。 |
カテゴリー転換 (-) | 作者という人間を木像という無機物に比している。 |
強調反復 (diacope) | 「木杭」「電信柱」の比喩が後続で反復され、ファルスの作者の無感動さを強調する。 |