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「何言ってやんでいを肯定し」

Page Type Example
Example ID a1096
Author 坂口安吾
Piece 「FARCEに就て」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 57

Text

諦めを肯定し、溜息を肯定し、何言ってやんでいを肯定し、と言ったようなもんだよを肯定し——つまり全的に人間存在を肯定しようとすることは、結局、途方もない混沌を、途方もない矛盾の玉を、グイとばかりに呑みほすことになるのだが、しかし決して矛盾を解決することにはならない、人間ありのままの混沌を、永遠に肯定しつづけて止まない所の根気のほどを、呆れ果てたる根気の程を、白熱し、一人熱狂して持ちつづけるだけのことである。

Context Focus Standard Context
何言ってやんでい () を肯定し

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
挙例法・例証・範例 (example) 「何言ってやんでい」という言葉を肯定することで、このように言ってくる人の意見を肯定することを例として、肯定の網羅性を示している。
評価 (evaluation) 「何言ってやんでい」という言葉を言ってくる人の意見、またその人自身も肯定する、寛容な態度を持ったものであるという捉え方を示す。
ユーモア (humour) 具体的な発話を唐突に肯定する目的語として取ることで、おかしみを喚起する。
臨時語 (nonce word) 「何言ってやんでい」という句を臨時的に目的語としている。