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「喜劇が泪の裏打ちによって抹殺を免かれている」

Page Type Example
Example ID a1068
Author 坂口安吾
Piece 「FARCEに就て」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 44

Text

しかし私は、悲劇(トラジディ)や喜劇(コメディ)よりも同等以下に低い精神から道化(ファルス)が生み出されるものとは考えていない。しかし一般には、笑ひは泪(なみだ)より内容の低いものとせられ、当今は、喜劇というものがの裏打ちによってのみ危く抹殺を免かれているくらいであるから、道化のごとき代物は、芸術の埒外(らちがい)へ、投げ捨てられているのが普通である。

Context Focus Standard Context
(悲劇的な場面) の裏打ちによって

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 > 場面 涙>場面

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
臨時語 (nonce word) 前部分をうけて,悲劇を「泪」と表現している。
縁語・縁装法 (-) 悲劇を迂言的に指す直前の「泪」を受けている。