目次

「明くる日の晩は素晴らしい大雨であった」

Page Type Example
Example ID a1047
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 43

Text

明くる日の晩は素晴らしい大雨であった。私はすっかり服装を改めて、対(つい)の大島の上にゴム引きの外套(がいとう)を纏(まと)い、ざぶん、ざぶんと、甲斐絹張りの洋傘に、滝の如くたたきつける雨の中を戸外(おもて)へ出た。

Context Focus Standard Context
素晴らしい (ひどい) 大雨

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 素晴らしい ←→ ひどい 見事<-->惨め

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
皮肉・反語・アイロニー (irony) 「大雨」という良くない事態を本来意図している「ひどい」の反対である「素晴らしい」というで形容する、典型的なアイロニーの形式。
心理描写 (psychological-description) ひどく落胆しているというよりは、半ば自棄になっているような印象をもたらす。