目次

「汗は流れて踵まで至った」

Page Type Example
Example ID a0958
Author 中島敦
Piece 「名人伝」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 17

Text

老人と入代りに紀昌がその石を履んだ時、石は微かにグラリと揺らいだ。強いて気を励まして矢をつがえようとすると、ちょうど崖の端から小石が一つ転がり落ちた。その行方を目で追うた時、覚えず紀昌は石上に伏した。脚はワナワナと顫(ふる)え、汗は流れて踵にまで至った

Context Focus Standard Context
汗は流れて踵まで至った (怯えた)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 汗をかく > おびえる 分泌する>恐れる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
前景化 (foregrounding) 体の一番末端の踵まで、汗が流れていると表現することで、恐怖の程度が相当強いと感じられる。
迫真法・活写法・現前化 (hypotyposis) 身体動作の表現を用いることで、心情を目に見えるように表現する。