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「幾百万の(とは言え本当は人口二百三十六名である)村人は殺到した」

Page Type Example
Example ID a0931
Author 坂口安吾
Piece 「村のひと騒ぎ」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 29

Text

自分一人の心臓を(いや、胃袋だ!)おさえきれずにいた幾百万の(とは言え本当は人口二百三十六名である)村人は、血走った眼に時雨の糸が殴り込むのを決して構おうとせずに、息をつめて知識の殿堂へ殺到した。

Context Focus Standard Context
幾百万 (二百三十六名)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 百万 > 多い 万>多い

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
過大誇張 (auxesis) 桁の大きな数字である「百万」をさらに「幾」によって不定にすることで、計測できないほどの数字であることを表すことで、衝動を抑えきれない村人の尋常一様ではない量の多さを表現する。
ユーモア (humour) 「幾百万」で「多く」を表現することは慣用的なものであるが、この文章の場合は、直後に本当の人口を注釈的につけることで、幾百万というのが大げさな表現であることがメタ的に説明され、ユーモアを生んでいる。
訂正・換言 (epanorthosis) 「幾百万」で「多く」を表現することは慣用的なものであるが、この文章の場合は、直後に本当の人口を注釈的につけることで、幾百万というのが大げさな表現であることがメタ的に説明される。