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「誰か何か云ってるぜ」

Page Type Example
Example ID a0908-1
Author 宮沢賢治
Piece 「双子の星」
Reference 『新編銀河鉄道の夜』
Pages in Reference 12

Text

とうとう大烏は、我慢し兼ねて羽をパッと開いて叫さけびました。『こら蠍(さそり)。貴様はさっきから阿呆鳥だの何だのと俺おれの悪口を云ったな。早くあやまったらどうだ。』蠍がやっと水から頭をはなして、赤い眼をまるで火が燃えるように動かしました。『へん。誰か何か云ってるぜ。赤いお方だろうか。鼠色のお方だろうか。』

Context Focus Standard Context
誰か 大烏 何か云ってるぜ

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 だれか > からす だれか>ひばり

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
評価 (evaluation) 「大烏」と直接名指すことができるはずの相手について、「誰か」という不定の相手に用いる呼称を使うことで、蠍にとって大烏が記憶に残るような印象のある相手ではなく、取るに足らないものであるという否定的評価を示している。
当てこすり (innuendo) 直接名指すことができるはずの相手に対しその名前を忘れてしまったかのように振る舞うことで、大烏が取り立てて記憶に残るような相手ではないと貶している。