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「土用干のごとく部屋中へ置き散らして」

Page Type Example
Example ID a0900
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 30

Text

それから私は、今まで親しんでいた哲学や芸術に関する書類を一切戸棚へ片附けてしまって、魔術だの、催眠術だの、探偵小説だの、化学だの、解剖学だのの奇怪な説話と挿絵に富んでいる書物を、さながら土用干のごとく部屋中へ置き散らして、寝ころびながら、手あたり次第に繰りひろげては耽読した。

Context Focus Standard Context
土用干 置き散らして

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 土用干 = 散らかす 散る=干し物

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C を-目的・目標(他動詞)
2 さながら ごとく ちょうど(ちょうど)
3 B の[ごとく] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
4 B [の]ごとく C ごとし-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 大量の書籍を天日干しする様子になぞらえることで、目を通したままきちんと閉じずにそのまま床に置いている書籍が一面に大量かつ乱雑に広げられているという印象を与える。
描写 (description) 天日干しの様子になぞらえながら、部屋が本で散らかっている様子が描かれている。