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「空間の一ヶ所を穴ぼこのように視凝(みつ)めたり」

Page Type Example
Example ID a0897
Author 坂口安吾
Piece 「村のひと騒ぎ」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 28

Text

それから、村そのものが一つの動揺となって、居たり立ったり空間の一ヶ所を穴ぼこのように視凝(みつ)めたり、埋葬のようにゆるぎだしたり、じりじりと苛立ちはじめたりした。

Context Focus Standard Context
穴ぼこ 空間の一カ所 視凝(みつ)めたり

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 穴ぼこ = 空間 位置=陥没

Grammar

Construction AをBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C を-目的・目標(他動詞)
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 村を眺める村人たちの様子について、あたかも虚無である「穴ぼこ」を見つめるかのような虚脱感を伴っていたことが描かれている。
心理描写 (psychological-description) 村の空間を虚無である「穴ぼこ」と見てしまうほど、村人たちが正常な行動・知覚を行えなくなってしまったという印象を与える。
含意法 (implication) 村人たちが正常な行動・知覚を行えなくなってしまった姿を描くことにより、村全体に生じた動揺の大きさを示唆する。