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「宝石よりも鋭く輝く大きい瞳」

Page Type Example
Example ID a0889
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 38

Text

(…)女は小声で、フィルムの上に現れた説明書を読み上げて、土耳古(トルコ)巻の M. C. C. の薫りの高い烟(けむり)を私の顔に吹き附けながら、指に篏(は)めて居る宝石よりも鋭く輝く大きい瞳を、闇の中できらりと私の方へ注いだ。

Context Focus Standard Context
指に篏(は)めて居る宝石 鋭く輝く

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 宝石 = ひとみ ひとみ=宝石

Grammar

Construction AよりもB-C
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Elaboration
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A より[も] B より-比較の基準
2 A [より]も B も-強調
3 B - C 統語関係

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) 女の瞳の非凡な美しさを、美しさの代表的事物である宝石によそえることでわかりやすく表現する。
縁語・縁装法 (-) 宝石になぞらえることで、「闇の中できらりと」という眼光の鋭さを光に喩える後続の表現を導出する。