「何でももう十時近くであったろう、恐ろしく混んでいる場内は、霧のような濁った空気に充たされて、黒く、もくもくとかたまって蠢動(しゅんどう)している群衆の生温かい人いきれが、顔のお白粉を腐らせるように漂って居た。」
Context | Focus | Standard | Context |
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霧 | 濁った空気 |
Category | |
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1 | 直喩・シミリ (simile) |
2 | イメジャリー・イメージ (imagery) |
3 | 擬物法・結晶法 (hypostatization) |
4 | 過大誇張 (auxesis) |
5 | 風景描写 (scene-description) |
Lexical Slots | Conceptual Domain |
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A | Source |
B | Elaboration |
C | Target |
Preceding | Morpheme | Following | Usage | |
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1 | A | の[ような] | B | の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合 |
2 | A | [の]ような | B | 様-類似-連体形 |
3 | B | - | C | 統語関係 |
Category | Effect |
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イメジャリー・イメージ (imagery) | 人々の熱気を含んだ場内に充満する空気(雰囲気)について、霧という水分を多く含んだ気体に比することで、体にまとわりつく感覚を表現する。 |
擬物法・結晶法 (hypostatization) | 場内の雰囲気に霧と同様の湿り気や肌へのまとわりつきが感じられる。 |
過大誇張 (auxesis) | 人々の体温や呼気によって極度に湿度が上がっている様を描くことにより、非常に多くの人が密集しているという印象を与える。 |
風景描写 (scene-description) | 空気の様子をとおして場内の雰囲気を描いている。 |