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「囁くような衣摺れの音」

Page Type Example
Example ID a0879
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 35

Text

甘いへんのうの匂いと、囁くような衣摺れの音を立てて、私の前後を擦れ違う幾人の女の群も、皆私を同類と認めて訝しまない。

Context Focus Standard Context
囁く 衣摺れの音

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ささやく = 擦れる 擦れる=口外する

Grammar

Construction AのようなBのC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ような] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ような B 様-類似-連体形
3 B C の-所有主

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 音の小ささを特徴とする発話行為である囁きになぞらえることで、衣摺れの音の小ささが具体的に指定されている。
擬人法 (personification) 衣摺れの音が、周囲の人には聞かれないように囁き声を出すときのように、自ら音量を下げたような印象を与える。