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「その瞳は夕月の光を増すように、だんだんと輝いて」

Page Type Example
Example ID a0862
Author 谷崎潤一郎
Piece 「刺青」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 21

Text

その瞳は夕月の光を増すように、だんだんと輝いて男の顔に照った。

Context Focus Standard Context
その瞳は 夕月の光を増す 輝いて照った

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 月光 = 眼光 視線=月光

Grammar

Construction AはBようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 暮方から夜にかけて段々と明るさを見せていく月の様子に比することで、女性の視線がもつ妖艶な魅力が漸次的に増していった様が描かれている。
心理描写 (psychological-description) 月の光に視線をなぞらえて、「照った」という述語を導入し、美という抽象を五感で知覚可能なものとすることで、男の心理における女性の美しさが極めて大きな影響を及ぼすことを表す。
イメジャリー・イメージ (imagery) 徐々に明るさを増していく月になぞらえることで、女性の瞳の輝き方が具体的に想起される。